既存のLeanプロジェクトの使い方

既存のLeanプロジェクトの使い方を説明します。ここでは、Mathematics in Leanを例にとります。まずターミナルを開きます。

  • もしelanとLeanのインストールに使ったターミナルを閉じずに使い続けている場合、LeanやelanやLake等にパスを通すために次のコマンドを実行してください。コマンドはOSに応じて変わります。

    source ~/.profile
    

    または

    source ~/.bash_profile
    
  • cd コマンドを使って使いたいパッケージを置きたいフォルダに移動します。Leanプロジェクト用のサブフォルダは自動的に作られるため、手動で作る必要はありません。

  • 移動先のフォルダ上で次のコマンドを実行し、Leanプロジェクト「Mathematics in Lean」をクローンします。

    git clone https://github.com/leanprover-community/mathematics_in_lean.git
    
  • 次のコマンドを実行し、クローンしたプロジェクトのルートディレクトリに移動します。

    cd mathematics_in_lean
    
  • 次のコマンドを実行し、キャッシュされたビルド済みファイルをダウンロードします。(このコマンドは現在、mathlib4 をインポートするプロジェクト内でしか機能しません)

    lake exe cache get
    
  • アプリケーションメニューから、あるいはコマンド code . を実行して、VS Codeを起動します。(Mac OSユーザーがコマンドラインからVS Codeを立ち上げるためには、もう1ステップ作業する必要があります。)

  • VS Codeを起動したら、画面上部にある File メニューを開き、Open folder(Macの場合は Open)をクリックし、mathematics_in_lean フォルダを選択します(mathematics_in_lean フォルダ内のサブフォルダを選ばないように注意してください)。

  • 左端のサイドバー内のファイルエクスプローラーを使ってサブフォルダ MIL の中を探し、開きたいLeanファイルを開きます。この本の練習問題に取り組む方法はMIL instructionsに書かれています。

参考資料

おすすめのLeanプロジェクト教材

  • lean-math-workshop (日本語) : 『数学系のためのLean勉強会』のために作成された教材です。Leanの基本的な使い方を学ぶBasic編と、代数・解析・圏論の各分野における定理を実際に証明するAdvanced編に分かれています。
    Advanced編で証明する定理には「群の準同型定理」「閉区間[0, 1]のコンパクト性」などが含まれます。

  • Mathematics in Lean (英語) : 論理・集合から測度論・微積分までの数学の定理を実際に形式証明しながらLean 4を学ぶテキストです。

  • The mechanics of proof (英語) : 計算による等式や不等式の証明から始まり、数論や代数分野の高校数学程度の問題について、形式的な証明の書き方を学べるテキストです。
    cancelなど、Index of Lean tacticsページにおいて先頭に"*"が付けられたタクティクは、Leanの標準ライブラリやMathlibには存在しない、この教材独自のタクティクであることに注意してください。